キングダム考察|史実の鄴攻め(ぎょうぜめ)は王翦の歴史的快挙!桓騎と楊端和の功績!
鄴攻め(ぎょうぜめ)を史実で考察します。
李牧VS王翦の戦いはどんな終結を見せるのでしょうか。
この戦いは、史実的に見ると王翦が大きな功績を上げた最初の戦と言えます。
それは楊端和や桓騎も同様になります。
王翦が負けるという話も出ていましたが、史実はどうなのでしょうか。
そもそも対戦相手は李牧だったのかにも言及していきます。
鄴攻めの流れ
鄴攻めの大きな流れは、列尾から攻めてその後に鄴へ向かいました。
そのまま進撃し、鄴で桓騎を置いたままで閼与へ向かいます。
キングダムでは閼与の軍を率いた李牧軍と王翦の本軍がぶつかる事になりました。
閼与は、その昔秦国の胡昜将軍が趙奢相手に敗戦した場所となります。
閼与での大敗以降は胡昜の名前は歴史の書物から消えています。
死亡説もありますが、キングダムにおいては、胡昜は昌平君の師匠であり六大将軍の1人でもあり生き延びています。
趙奢はキングダムにおける三大天の1人となります。
その2人が戦い六大将軍が敗れた戦となりますので、語られるのではと思われていましたがありませんでした。
史実の再現とも取れる王翦と李牧の戦いになります。
場所は朱海平原。
血塗られた場所と呼ばれているのも、過去の大戦があってのものだと予想出来る部分ではあります。
史実で見れば、この鄴攻めは成功します。
しかし相手が李牧であったという事実は史記でも確認出来ていません。
李牧が将軍になるのは先の話
実は李牧を大将軍に任命するのは、今の悼襄王ではありません。
これが悼襄王ですが、悪趣味でキングダムではかなり愚王と思われています。
自分さえ贅沢が出来れば良いと言う雰囲気を醸し出しています。
国がどうとか、民がどうとか後のことなど知った事か。
(キングダム48巻より)
自分が死んだ後は知らないと言い張る悼襄王です。
李牧はこれを聴いて「あまりにも暗い」と感じています。
実際の所は、趙においては懸命な王であったと言われています。
次の王は、キングダムでは太子嘉ではないかと言われていますが、これも違います。
聡明な雰囲気が醸し出されていて、李牧も趙の光と思っています。
史実を見れば分かりますが、この嘉は後に王位を剥奪されて、後の愚王と呼ばれる幽繆王が次の王となります。
但し、李牧を登用するのは、この幽繆王である事実も忘れてはいけません。
最終的には側近の郭開が調略されて、信じた幽繆王によって更迭されてしまい、更に李牧は処刑の憂き目にあいます。
鄴の兵糧攻めはあったのか
キングダムでは、鄴の陥落を兵糧攻めで戦っています。
秦国もまた、列尾を扈輒に塞がれて持っている兵糧のみでの戦いとなりました。
双方が兵糧攻めを仕掛けているという異質な戦。
史記でこの描写はなかったが、閼与を攻める時の兵については有名な戦略があったのは事実です。
王翦が武功の優れた者だけを集めて閼与を攻めていました。
実際には、ある一定の武功を収めた者だけを集めて少数精鋭で閼与を攻める作戦だったのですが、兵糧の関係もあったと思われます。
また当時は李牧ではなく、龐煖が趙の第一武将でした。
その龐煖が燕を攻めている隙きを突く作戦だった事を考えると、迅速な攻めが必須だったとも言えます。
キングダムでは、武功という選定ではなく単純に精鋭である独立遊軍の三部隊を連れて行くことになった。
これが飛信隊と楽華隊と玉鳳隊になります。
史実の閼与攻めとは少し異なりますが、キングダムは基本的にはオリジナルのストーリーなので問題ありません。
朱海平原の戦についても、史記や他の中国史の文献にも存在していないものとなります。
実質的には、二度目の趙と秦の閼与の戦いが、この朱海平原の戦いという事でしょう。
閼与で負けた李牧
李牧といえば、春秋戦国時代における名将の1人となります。
これは疑う余地もありません。
自分でも言っていますが、この時代においては最強を評してもおかしくない武将となります。
実際に、中国では起翦頗牧という言葉があるほどです。
この白起・王翦・廉頗・李牧の将軍としての力が相当に大きかったことを意味しているのは疑い様もありません。
その李牧が、この鄴と閼与の戦で登場したという事実があったのかどうかは先述した通りとなります。
趙において、李牧も名将であるが龐煖もかなりの名将です。
史実で見れば、龐煖は頭をつかう知将タイプ。
キングダムでは、この龐煖の功績の一部も李牧のものとして扱われています。
そうする事で李牧の強さを際立たせる事が出来るからでしょう。
鄴攻めの本来の侵攻は龐煖の留守を秦国が狙ったものと史記には記載があります。
先程も伝えましたが、龐煖が燕を攻めている隙きを突いて秦国が侵攻した戦です。
キングダムでは燕が攻めてきた事になっているので、この辺りも史実とは異なる形のオリジナルストーリーとなります。
燕のオルドから攻めてきたというのも、それを次の三大天であろう司馬尚が食い止めたというのもオリジナルの設定です。
ちなみに三大天については、次という発想があるのかは定かではありません。
司馬尚を入れたとしても、龐煖がキングダム627話で死んでいます。
結果的に空席が2つの状態になりましたから、このまま崩壊に進んでいく可能性は大いにあります。
嘉の存在
先程も伝えましたが、李牧が光と評する太子嘉が登場が鄴攻めの最中にありました。
実際に、王になるのは嘉ではなく、別の人物となります。
幽繆王を名乗る彼に、李牧も司馬尚も更迭されて、それが趙の滅亡のきっかけとなります。
史実で見れば、李牧は処刑されると言われています。
ただ、これについてはオリジナル設定で変化する可能性もあるでしょう。
趙を滅亡させ、その後の大きな戦いである楚との戦。
史実的には、中華統一の最後の障壁はこの楚との大戦と言えます。
李信と蒙恬率いる20万が項燕に大敗する戦は歴史的にも有名なものです。
後に王翦が60万という秦国全軍で楚を撃破しますがが、実はその後にも残った国もあります。
それが燕と代です。
代は李牧が光と評した嘉が、王を名乗った国となります。
その燕と代の連合軍との戦が、本当の意味での春秋戦国時代における最終戦と言えます。
斉との戦もありますが、キングダムでは斉と戦うことは無いでしょう。
となれば、やはり李牧は処刑はなく最後の最後にも登場するという可能性はあります。
カイネや傅抵、舜水樹あたりが生き残って李牧の想いを繋げるという事もあるので、確実とは言えません。
しかし、尭雲の予知夢を考えると、やはり李牧というのは項燕の登場までの
つなぎの最強の敵となるのかもしれませんね。
史実で考えれば王翦勝利は確実
李牧の登場や、オルドが侵攻している点。
龐煖は山ごもりをしている最中で、司馬尚がオルドを食い止めて問題なく侵攻。
(後に信を狙って降りてきますが、討ち死にとなりました)
朱海平原という史記に登場しない場所での戦。
多くのオリジナル設定が登場しますが、結果的に秦国が勝利するのは確実でしょう。
但し、王翦と李牧の知略としての勝負が王翦勝利となるのかは疑問が残ります。
途中経過でも、信と王賁と蒙恬の想定外の活躍があってこその勝利となります。
後の邯鄲の侵攻で李牧を危険視した上で、王翦は謀略によって司馬尚を含めて更迭させます。
それほど怖れたと言えるでしょう。
李牧が更迭されてから間もなくして邯鄲は陥落し趙は滅ぶ事になります。
もし邯鄲が包囲されたとて
十年でも二十年でもこの城は籠城出来る。
-悼襄王-
(原泰久先生/キングダム48巻)
悼襄王はこう言っていました。
そう考えると、長期戦によって秦国の弱体化を図って、楚の進軍などに期待する李牧の作戦は本来なら有効だったと言えます。
悼襄王の次の幽繆王が李牧と司馬尚を更迭した上に、李牧の処刑する史実があります。
李牧という存在が、王翦にとって非常に危険と判断されるのでしょう。
王翦が初めて負けるかもしれないと感じる戦になっていく可能性もありました。
しかし経過地点では、李牧も王翦も共にシミュレーション通りとは行かない状況です。
李牧も王翦も朱海平原において、本陣を強襲されています。
結果的には王翦勝利となるでしょうが、勝ちの理由は知略というよりも蒙驁の「人を見る目」に由来するものであると感じます。
信の覚醒などは、王翦も読んでいました。
これはもうすでに通常の知略と一線を画する気がしてなりません。
マンガ好き
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