北欧神話のニーズヘッグとラタトスクの物語はこれから起こる世界政府の崩壊を示唆する【ワンピース考察】

ワンピース1175話でロキの悪魔の実の名前が「リュウリュウの実幻獣種モデルニーズヘッグ」であることが確定しました。

そしてエルバフに存在する伝説の武神が連れていたのが氷リスのラタトスク。

その魂は今は主人を守るべくラグニルに宿っています。

ニーズヘッグもラタトスクも北欧神話に登場する重要キャラ。

ここで北欧神話のニーズヘッグとラタトスクを知っておきましょう。

北欧神話とは何か

●運命と循環の神話世界

北欧神話は、オーディンをはじめとする神々の活躍を描く物語群です。

その本質は英雄譚や勧善懲悪ではありません。
中心にあるのは、世界がいずれ滅びることを前提とした厳格な運命観と言えます。

ある意味ではスクラップ&ビルドに近いような、盛者必衰を表す物語でもあります。

神々でさえラグナロクという終末から逃れることはできず、世界は誕生と崩壊を繰り返す循環構造を持つというのが基本構造です。

この思想を象徴的に体現している存在が、世界樹ユグドラシルであり、そしてその内部で暗躍するニーズヘッグとラタトスクということになります。

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世界樹ユグドラシルと九つの世界

ユグドラシルは、北欧神話における宇宙そのものといえる存在です。

巨大なトネリコの木として描かれ、その枝葉と根は九つの世界を支えています。

エルバフに登場したのが世界樹であることからも、そもそもエルバフの世界観がそのまま北欧神話の世界観ということです。

神々の住むアースガルズ、人間の住むミズガルズ、巨人の国ヨトゥンヘイム、死者の国ニヴルヘルなど、すべてはこの一本の木によって結ばれています。

重要なのは、ユグドラシルが永遠不変の安定装置ではない点にあります。
この世界樹は常に傷つけられ、蝕まれ、崩壊の危機に晒されているという真実。

その破壊的役割を担うのが、根元に巣食うニーズヘッグとなります。

「今ある世界の破壊」を担うのがニーズヘッグとも言えるでしょう。

それだけにエルバフでロキが手にした能力の意味するところが深まるの頷けます。

今ある世界政府というイム様がトップの世界を終わらせるきっかけをロキの黒竜が持っていると言えそうです。

ニーズヘッグ

●世界を内側から喰らう存在

ニーズヘッグは、ユグドラシルの根を噛み砕く巨大な蛇、あるいは竜として描かれる存在です。

ワンピースでは黒竜として描かれています。

ニーズヘッグが棲むのは最下層の世界ニヴルヘルであり、死者や罪人と深く結びついています。

実際にロキもここに鎖で幽閉されていました。

ニーズヘッグの役割は単なる破壊者とは言えません。
ニーズヘッグは常に世界樹を蝕み、世界が停滞し完全な秩序に固定されることを防いでいます。

つまり、彼の存在は破壊であると同時に、変化を強制する装置でもあるのです。

だからこそエルバフにおける伝説の武神は、この能力を有した状態で当時の世界の支配者と言えたニカに挑戦したのかもしれません。

北欧神話において、完全な安定は死と同義です。
ニーズヘッグは、世界がいつか終わることを人々に突きつける、不吉でありながら不可欠な存在と言えるのです。

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ラタトスク

●憎悪を運ぶ小さな媒介者

ワンピースでは氷リスであり、もとはエルバフの過去に存在した黒竜の能力を有した武神の腹心でしたが、今は魂がラグニルに宿っています。

ラタトスクは、ユグドラシルの幹を縦横に走り回るリスとして北欧神話で登場します。

ラタトスクは、木の頂にいる大鷲と、根元にいるニーズヘッグの間を往復し、互いの悪口や挑発の言葉を伝える役目を担っています。

この大鷲についてもワンピースの世界では伏線が出ているので、後のエピソードで大きく絡むことになるでしょう。

シャンクスの剣がグリフォンであることも意味を持っていそうです。

一見すると取るに足らない存在に見えるが、ラタトスクは神話構造上、極めて重要です。

彼自身は争わず、破壊もしません。
しかし、言葉を運ぶことで対立を増幅させ、憎悪を循環させているのです。

北欧神話はここで鋭い洞察を示します。

世界を壊すのは巨大な悪だけではないという真実です。
実は、小さな伝言、軽い中傷、無責任な言葉こそが、対立を深め、崩壊を加速させるという認識もあるのです。

これは今の世界の事情を見ても頷ける部分があるのではないでしょうか。

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ニーズヘッグとラタトスクの関係

●破壊と煽動の共犯構造

ニーズヘッグが世界を内側から削る存在だとすれば、ラタトスクはその破壊を促進する情報装置と言えます。

直接的な力と間接的な言葉。
この二つが組み合わさることで、ユグドラシル(世界樹)は常に不安定な状態に置かれます。

今のところワンピースではそういった要素はありませんが、この先で何かしら北欧神話に近い展開が起こるかは注目です。

北欧神話は、暴力だけで世界が壊れるとは考えていません。
噂、誤解、悪意の伝達といった目に見えない要素こそが、破壊を決定的なものにすると理解しているのです。

北欧神話が示す思想

●世界は壊れ続けるから生きている

北欧神話において、ニーズヘッグもラタトスクも排除されるべき悪ではありません。
彼らは世界の一部であり、終末へ向かう流れを止めることはできないことを示唆しています。

つまりは今の世界の終わりと、新しい世界の始まりです。

その破壊は無意味なものではありません。
ラグナロクの後、世界は再生すると語られているからです。

ワンピースにおける物語も、今ある世界が一度終わり、そこからまた新たな世界が始まっていく。
その意味での夜明けであり、ルフィが先の世界の中心思想として打ち上がるのだと推察されています。

つまり、崩壊は次の秩序への通過点なのです。

ユグドラシルの根を噛むニーズヘッグと、言葉を運ぶラタトスク。
この二者は、北欧神話が持つ冷徹で誠実な世界観を象徴しています。

世界は常に壊れかけている。
だからこそ、人は今を生き、選び、語る責任を負うのです。

以上がニーズヘッグとラタトスクの北欧神話における役割となります。

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