キングダム考察|信と蒙恬が大敗する楚の戦!項燕の奇襲と昌平君の裏切り
信と蒙恬は非常に仲が良い武将と言えます。
但し史実は少し年代が離れていて李信と蒙恬は年齢的に李信が随分上であったと推察されています。
キングダムでは王賁と共に同年代として描かれています。
ライバル同士ながら王賁とは少し違った関係と言えるでしょう。
この三人の関係は斉の討伐にて最も深くなると言えますが、それはキングダムでは描かれずに終わる可能性があります。
(斉の王権は事実上すでに秦に下っています)
信と蒙恬については史実でも残る大きな戦として描かれています。
功績もありましたが大敗を喫した戦として名高いものです。
楚の大戦で総大将となる
戦国時代を終わらせようと贏政のもと戦国七雄の国取りを行う秦国です。
血の業に耐えうるこの時代唯一の王である嬴政の言葉はキングダムでも迸るものがあります。
実際に秦国は侵攻を続け、韓を滅ぼし、趙を滅ぼし、魏を滅ぼした後、最強と言われる楚に攻め入ることになります。
この時の信の年齢はキングダムでは34歳となります。
この楚の大戦は嬴政としても誰を総大将とするのか迷った戦でもあります。
歴史的には、すでに老将となっていた王翦。
その王翦は楚との戦に「60万の兵力が必要」と嬴政に伝えていました。
それに対して、この当時若手で有望株であった李信は「20万で沈められる」と豪語します。
嬴政は老将で王翦が弱気になっていると感じたのか、若手の李信に20万の兵を与えて楚への出兵を命じました。
この時に王翦は隠居し、昌平君も李信を総大将とする策に反対したと言われています。
李信と蒙恬の快勝が続く
李信を総大将とした楚への侵攻軍ですが、副将には先程伝えたキングダムでも仲良しの蒙恬将軍を沿えています。
キングダムにおける蒙恬はとてつもなく知略に長けた人物となります。
王翦も朱海平原の戦の前に蒙恬に対して「側近として幕僚に加えてやってもよい」と言わせています。
非常に有能な人物以外を自ら登用する事のない王翦に5千人将の時点で言わせた蒙恬の実力は十分に分かるものです。
また朱海平原における左翼の動きついては王翦と同じものが見えていた蒙恬でもあります。
武力や突破力で圧倒的な力を示す李信軍と知略に長けた技を持つ蒙恬軍との連携であれば楚を討てると考える政の気持ちも分からなくはありません。
李信は自らを総大将としながらも、部隊を2つに分けて進軍する事になります。
均等に10万ずつに部隊を分けました。
李信は平輿に向かい、蒙恬は寝丘へ侵攻しました。
共に大勝となった楚の侵攻の最初は快進撃と言える強さを誇る李信と蒙恬となります。
そのまま李信と蒙恬は楚の都がある郢の周辺に2部隊にて侵攻し続けて勝利します。
最初から李信の登用が間違いだとする説もありますが、実際には嬴政の判断に間違いはなかったのではないかと思える勝利を繰り返していたのです。
項燕の登場で状況が悪化する
ここまでは李信を総大将に選んだ政としても間違いないものだったと感じていたでしょう。
しかし事態は楚の第一武将である項燕の登場で一気に急変します。
合従軍の戦にて出し惜しみと評された人物である項燕です。
キングダムにおいてもラスボス級の強さを秘めているのは確実です。
項燕は史実で策も弄していることから知略と武勇のどれも兼ね備えた武将である事は確実です。
李信と蒙恬が大敗する
郢の周辺を攻めて、後に本丸である郢を攻め落とそうとする際に李信と蒙恬は規模10万と10万に分けた部隊を合流させるべく城父に向かいます。
城父において合流した蒙恬と信ですが誤算が生じます。
追手の軍の速度は当然ながら蒙恬も計算をしていたはずです。
飛信隊の軍師である河了貂も同じでしょう。
趙との戦を経ている信や蒙恬からすれば中華でも随一と言われる馬の速さも理解しています。
王騎将軍は北部で戦い続けた山の馬の進行速度を見誤って李牧に敗れた過去があります。
信は少なくともこの戦を経験しています。
よって楚の馬が速いか否かはさておいて王都を攻める中での相手の行軍速度を甘く見積もる事はないでしょう。
しかし項燕は更にウワテでした。
項燕はこの合流地点に三日三晩休まずに走り続けて奇襲をかけたのです。
追いつけるはずのない距離がありながらも三日三晩走り続けた項燕軍のその壮絶な体力に舌を巻きます。
項燕軍の練度の差についても化け物級である事が分かります。
この奇襲によって合流地点の城父で塁壁が2箇所破られてしまいます。
軍は混乱の中で収集をつけることも出来ずに大敗してしまいました。
7人の武将を失う大敗
この項燕の奇襲によって敗れ去った李信と蒙恬軍です。
負けるだけではなくこの戦では史実でも7人の武将を失ったことが明記されています。
果たして誰を失う事になるのでしょうか。
恐らく飛信隊や楽華隊に古くから仕える人物が死ぬ事になるでしょう。
楽華隊で言えば陸仙や愛閃が筆頭になるでしょう。
飛信隊で言えば渕副長や楚水副長、そして崇原や澤圭、田有や竜川などがあがってくるでしょう。
武将と言われるだけに今の現状で将軍に近い職種ではない人物は入ってこないと思われます。
(史実の7人に入らずとも死ぬ可能性はあります)
上位から見れば
陸仙と愛閃、そして渕と楚水と崇原はほぼ確実に死んでしまうのではないかと推測されます。
実のところ、ここで羌瘣も死ぬ可能性が示唆されていたりします。
李信を重宝した事実
本来ならこの戦の大敗は打ち首ものとも言える敗れ方でもあります。
キングダムはともかくとして、史実では気性が荒かったと言われる嬴政がなぜ李信を見逃したのか。
これには理由があるでしょう。
実はこの戦は秦国側の上層部が謀略を行ったが為に敗れたとも言われる戦になっています。
昌平君の裏切りがあった
奇襲を受けた李信と蒙恬でしたが、時を同じくして昌平君が管理しているはずだった旧楚都の郢陳にて反乱が起きるのです。
昌平君ほどの人物が管理しながら反乱が起こるのもおかしな話です。
李信は秦国軍をこの旧楚都の郢陳の反乱を鎮圧する為に送り込もうとしたと言われています。
これが敗北のきっかけになりました。
項燕は後に楚が滅んだ末に昌平君を王として擁立して再度秦国に挑み敗北しています。
嬴政が李信の首を斬らなかった理由もこのあたりにあるのかもしれません。
要するに李信が作戦ミスを犯したのではなく昌平君という当時相国という秦国ナンバー2の裏切りがあった為であり、貴重な武力である李信を斬っている場合ではなかったと考えて良いでしょう。
王翦軍と秦国全軍にて楚を滅ぼす
李信の敗北の後に嬴政は老将であった王翦を総大将として楚を再度攻めます。
その時の副将は蒙武です。
更に秦国全軍である60万を率いての戦い。
恐らくこの戦に敗戦の将である李信と蒙恬も加わったのではないかと推察されます。
そうしなければ倒せないほどの強国であり、それだけ強い武将が項燕だったと言えます。
李信は項燕に敗北を喫する形となりましたが、後に政の暗殺計画を企てた燕を滅亡させています。
結果的に大敗の汚名も挽回したと言えるでしょう。
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