キングダム考察|秦・嬴政以外が中華統一を目指さない理由とは?氏族制度の存在!!
キングダムを読んでいて、
秦王である嬴政以外が中華統一を
目指さないのか疑問に思ったことはないか?
史実を読み解くと秦以外の国が
中華統一を考えないのは、“氏族制度”が
色濃く残っているからだ。
今回は中華統一を阻む氏族制度
について説明したい。
※始皇帝 中華統一の思想(渡辺義浩/集英社新書)
を参考に記事を作成させて頂きました。
秦国以外は中華統一を考えない
キングダム読者の皆さんは、
秦王である嬴政以外が中華統一を何故
目指さないのかを疑問に思ったことはないか?
私は戦国時代といえば誰もが天下統一を
目指すイメージを持っていた。
しかし、キングダム45巻で
趙の三大天である李牧が、秦の咸陽まで赴き
秦王・嬴政に七国同盟を結ぶことを提案した。
あの李牧ですら、中華統一を考えていないのだ。
秦国以外の国が中華統一を考えず、
自分の領土だけを守ろうとするのは
当時の社会構造に理由がある。
中華統一を阻む氏族制度
春秋・戦国時代以前の周時代から中国には、
『氏族制度』という社会構造が存在した。
氏族制度は『血縁関係による身分制度』である。
簡単にいうと、生まれた家によって
身分や職業すらも決まっている制度だ。
いくら優秀であっても身分が
低ければ出世できず、ボンクラでも王にも
なれるのが氏族制度だ。
秦以外の国では春秋・戦国時代でも
氏族制度が色濃く残っており、
国の権力者たちは現在の地位を守ることが
最も優先すべきことだ。
そのため中華統一を目指し他国に負け、
自分の地位が揺らいでしまうのが嫌なのだ。
現状維持をしながら、氏族制度によって
家の地位が保証される状態が
秦国以外の国が目指す姿なのだ。
氏族制度は地方分権制
氏族制度があると、王が国全体を
まとめるのは非常に難しい。
氏族制度下で地方は権力者による
自治が認められていた。
キングダムで嬴政の振る舞いを見ると
当時の七国全てが中央集権制のように
感じられたが違う。
氏族制度残る国は地方分権制なのだ。
王は領地を与える立場だが、
領地の支配権は地方の権力者が全てを握り、
権力者の家が代々引き継いでいく。
そのため王の地方における支配権は実質ない。
例えば楚は国力は七国で一番だったが
氏族制度が色濃く残っていた。
そのため1000人を越える地方の権力者をまとめ
「中華統一」という国家プロジェクトを動すのは
不可能なのだ。
また氏族制度がある以上、
地方の権力者も現在の地位を失わないため
保守的になり、「中華統一をしたい」とは
一切思わなかったのだ。
まとめ
キングダム、信と嬴政たち秦が
目指す中華統一とは春秋・戦国時代でも
異質の考え方だった。
氏族制度が残る国にとっては
自分の地位を奪う脅威でしかなかったはずだ。
そのために必死で戦うのだ。
領土を守るためというよりは、
氏族制度を守るために戦ってるとさえ思える。
キングダムでは戦いがメインであるが、
中華統一が進むにしたがって変化する社会も
描かれると期待している。
マンガ好き
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