シン・エヴァンゲリオン考察|マイナス宇宙とは何か!ゲンドウとシンジの虚構バトル
シン・エヴァンゲリオン最終章である:‖に登場した「マイナス宇宙」とは何かについて考察していきます。
マイナス宇宙そのものは考察するというよりも単純な理解をするという方が正しいでしょう。
「マイナス宇宙=虚構の世界」
これが結論ですが、ではこの場所で何が起こったのかを考察していきます。
エヴァに登場する用語の意味もイマイチ分からないという方向けに書いています。
※簡単な理解を促す考察になりますのでエヴァファンで深いものが知りたい!という方は物足りないものになります。ご容赦下さい。
虚構とは何のことなのか
マイナス宇宙=虚構の世界というのは本編に登場した言葉のままです。
しかし「虚構」が何か分かっていないと理解出来ないでしょう。
数学における複素数みたいなもの、なんて言い出したら余計に意味不明になりそうなので簡単に言います。
「実際には存在せず誰かが作り上げたもの」ってことです。
これが虚構です。
一気に理解が深まるのではないでしょうか。
要するにマイナス宇宙に入ってしまえば、そこでは実際にないものを作り上げられるってことです。
誰が虚構を作り出すのか
ではエヴァにおけるマイナス宇宙では「誰が作り出した世界に入り込むのか」って話になります。
ここがまさにシンジとゲンドウのバトルの意味になってくる訳です。
要するに「シンジとゲンドウどっちの虚構か戦って決めるよ!」って感じで捉えると分かり易いでしょう。
(実際は恐怖と暴力で支配権を得る訳ではないので対話を必要としました)
ゲンドウはアディショナルインパクトを生涯の目的としていました。
アディショナルインパクトを起こす理由は「ユイに会うため」に他なりません。
こちらも簡単な考察をしていますので下記をご覧下さい。
ゲンドウはユイに会いたいという思いだけで全人類を巻き込む人類補完計画に賛同しました。
但しゼーレのシナリオとは少し違い、人類補完計画の完成となる魂の浄化(フォースインパクト)を行うの前にアディショナルインパクトを追加で起こしユイに会おうとしました。
そしてユイがいた場所であるゴルゴダオブジェクトへ向かいます。
地獄の門がマイナス宇宙の入り口であり、ゴルゴダオブジェクトが虚構と現実の境界を失わせる場所への入り口になります。
要するにアディショナルインパクトを起こせる場所と考えれば問題ありません。
(ゴルゴダオブジェクトが分からん!ってなりそうですが「ゲンドウがしたかった事が出来る場所の入り口の名前」ってくらいの理解でとりあえず問題ないです)
ゴルゴダオブジェクトという入り口から運命を変えることの出来る唯一の場所への突入です。
13号機に乗ったゲンドウと初号機に乗ったシンジが一緒に入ったので、どちらの意志を尊重するかは戦って決めるってことになります。
ここも簡単にいうと「シンジとゲンドウ、どっちが考える世界を創るのか」という戦いになります。
なぜ戦うのかはお互いに作り上げたい世界が違うからとしか言いようがありません。
よってアディショナルインパクトは支配権を持つ虚構を作り上げられる人間の意志を投影することになります。
マイナス宇宙の中にあった運命を変えられる場所(入り口はゴルゴダオブジェクト)でシンジから見ると黒いリリスであるエヴァンゲリオンイマジナリーに黒き月を素材としてゲンドウと冬月が創り出した槍をロンギヌスとカシウスにして取り込ませることでアディショナルインパクトが始まります。
「むずい!」って場合は黒リリスって奴にゲンドウが作った槍2本突き刺して始まったって覚えておけば問題ありません。
シンジとゲンドウの支配権争い
一緒に入ったので「さぁどっちが虚構の世界を支配しますか」ってなるのが自然です。
シンジはユイに会いたいという目的を持っていません。
それどころか人は人それぞれが違っても良いという考えで「全てのエヴァとおさらばしよう」としている訳です。
(人類補完計画にも賛同していないってこと)
これだと分かりにくいかもしれないですが「不完全でお互いが理解しあえずに苦しむことも辛いこともあるけど、それでもどっこい生きていく世界を作るんだい!」ってのがシンジの創りたい世界って考えたら分かるでしょう。
全部1つになって苦しみとか「他人が理解できない!」とか「死ぬの怖いよぉ」とかが無い完全体を目指していくのが人類補完計画でした。
ゲンドウは後者でユイと再会して、更には同化までしちゃおうという考えとすれば分かりやすいでしょう。
ゲンドウはユイと出会ってから人との繋がりを知って異常なまでに孤独を恐れていました。
みんな1つになっちゃえばもう寂しいとかないよねって話です。
だから13号機のゲンドウは人の心の壁であるATフィールドを無条件に貫くロンギヌスの槍を持ち、初号機のシンジが希望の槍であるカシウスの槍を持っていました。
カシウスの槍は人の心の壁であるATフィールドを司る槍です。
この画像でアスカが持っている槍です。
単純に言えば今私達が生きているような世界を創るのに必要な槍って感じで認識しておけば大丈夫。
ゲンドウを媒体としている
ただ戦闘においてシンジは非常に不利な状況です。
13号機は初号機と対を成す存在で全ての動きは読み切られてしまいます。
厳密には対となる鏡合わせの動きもゲンドウにとって必要なことでした。
何よりこの世界はネブカドネザルの鍵で人間をやめちゃったゲンドウを媒介にしている訳です。
(ネブカドネザルの鍵は人間やめちゃえるアイテムって思っておけば一先ず問題ありません)
ゲンドウ媒介なら支配者=ゲンドウでしょ!ってなりそうですが、実際にそう言っても過言ではない状況です。
しかしながらシンジの意志も入り込んでいてゲンドウが思うままに出来るものではない状態と考えて下さい。
ゲンドウからすればシステムに入り込んだバグみたいな存在がシンジと言えます。
虚構は先程言ったように「作り出した世界」となっています。
新東京でのバトルで空が布と壁のような描写になったり、スタジオのセットのような状況になるのは「記憶による創造」であるからと考えていいでしょう。
要するに「ここは虚構の(誰かが創り出した)世界」っていう部分を分かりやすくしていると言えます。
実際のエヴァ同士のバトルというよりもお互いの思想がぶつかり合っているのをエヴァを介して見ているという感じでしょうか。
あくまでも虚構の世界でお互いの記憶を頼りに場所は設定して戦ってますよってことです。
だからこの虚構での戦いは何かと規模感などが壮大ではなく、変にせせこましい感じになっています。
シンジも「戦っても意味がない」と悟って対話に切り替えました。
マイナス宇宙でユイを探すが見つからない
ゲンドウはマイナス宇宙でユイを探し求めますが、結局見つかりませんでした。
(後に初号機の中より現れてユイを後ろから抱くゲンドウが共に消滅するシーンが描かれました)
探しても見つからないのはシンジの中にユイがいて、そのシンジを拒否しているからです。
最終的にユイの墓の前で佇むゲンドウの後ろにシンジが現れてカセットテープを渡して過去を感情を交えて語っていきます。
(ここで人を超えた存在であるゲンドウはシンジの前にATフィールドを出現させています)
更にミサトによってインパクトを止める事が出来るガイウスの槍がシンジのもとに届きます。
(ガイウスの槍はシンジの思う世界を作ることができるもの=エヴァを消滅させられるもの)
エヴァは魂の受け皿になれる人造人間です。よって魂と肉体の分離が可能な世界がエヴァのいる世界と言えます。私達の今いる世界とは違います。
ゲンドウはマイナス宇宙の支配権をシンジに譲ることになります。
結果的に父親の起こしたことの責任をシンジが取ろうとして初号機に自らガイウスの槍を突き刺そうとした時にユイが現れて代わってくれます。
(ゲンドウも出てきてユイに会えたからハッピーです)
ここからはシンジが「エヴァはおさらば」って望んだ世界へと変貌していきます。
マイナス宇宙に入り込んでいたチルドレンをまず解放していきます。
現状マイナス宇宙に魂が入り込んだのはユイ・ゲンドウ・シンジ・レイ・カヲル・アスカとなります。
ユイとゲンドウは共にガイウスの槍で消滅します。
この時シンジは父さんであるゲンドウが「母(ユイ)を見送りたかった」のだと本当の願いに気付いています。
よって救うべきチルドレンはレイ・カヲル・アスカです。
マリも9~12号を取り込んだ8号機でシンジ救出に来ますが、魂が取り込まれている状態とは少し違います。
撤収の描写はマイナス宇宙の崩壊を示す
シンジが望んだ世界では虚構の世界は不要です。
厳密には新しく世界を作るから今ある世界は崩壊するって認識でいいでしょう。
シンジにマイナス宇宙の支配権が移った時点から徐々に崩壊を辿っていくことになります。
だからこそスタジオのセットが徐々に撤収していくような様子が描かれたと考えれば分かるのではないでしょうか。
虚構の崩壊=スタジオセットの撤収。
ドラマとかのスタジオセットとか、映画のスタジオセットってどれも「誰かの手によって作り出された虚構の世界」ですよね。
これがまさにマイナス宇宙ってことです。
それを撤収する=マイナス宇宙の崩壊を意味します。
アスカやカヲル、そしてレイを虚構の世界であるマイナス宇宙から順番に解放しました。
救ったアスカは大人になっていますが、この時点で惣流・アスカ・ラングレーと式波・アスカ・ラングレーが同一化されています。
シキナミタイプは惣流・アスカ・ラングレーをオリジナルとしたクローン。シン・エヴァンゲリオンにて「オリジナル」がアスカのもとに訪れています。
なので自分がシンジに「あの頃好きだった」と言った記憶も当然あります。
勿論、使徒ではなく普通の人間になっているので成長が止まるはずもなく大人の女性になっていました。
どえらいナイスバディのお姉さんになっていたのを誰もが記憶していると思います、きっと。
レイとの会話で「ネオンジェネシス(NEON GENESIS)」って言葉が連呼されましたが、これがまさに「新しい世界=新世紀」ってことです。
シンジが望んだ、言ってみれば今私達が生きている普通の世界が「新世紀」と呼べる新しい世界なのです。
だから最後に真希波マリと一緒に大人になったシンジが宇部市の駅から出ていく描写はいま現実の私達の生きる世界そのものを投影させていました。
ちなみに真希波マリと手を繋いで新世紀を進むその直前には駅のホームの向かい側でカヲルとレイが立って話している様子、そしてアスカが一人座っているのが確認出来ています。
みんな新世紀を各々の思いのもとで生きているのが分かります。
以上がマイナス宇宙に関する簡単な考察となります。
若干分かり辛い部分があったかもしれませんが、簡単な説明が非常に難しい分野でもあります。
更に深く知りたい方はエヴァファンの集う掲示板などで意見交換をしてみると色々な解釈が見れて面白いかもしれません。
一つの考え方の参考として読んでいただければ幸いです。
マンガ好き
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ネオンジェネシス(新世紀)の世界で過ごしている
アスカ、レイ、カヲル君達は元々の世界の記憶
エヴァが存在していた頃の記憶はもう忘れてしまっているので
しょうか。
すごい気になります(笑)