シン・エヴァンゲリオン考察|ガイウスの槍とは何か。ヴィレの槍(人の意思を反映できる槍)

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シン・エヴァンゲリオン考察|ガイウスの槍とは何か。エヴァを消滅させ新しい世界を創れる

シン・エヴァンゲリオン最終章:‖に登場した「ガイウスの槍」とは何かについて考察していきます。

まず既存の2本の槍。

  1. ロンギヌスの槍(絶望の槍)
  2. カシウスの槍(希望の槍)

カシウスの槍についても以前のアニメ版には登場していません。

新劇場版においてのみ使われた槍と言えます。

性質は絶望と希望で完全に相反するものです。

そして最終章である:‖にて登場したガイウスの槍が3本目の槍となります。

簡易な考察物足りない可能性があります、ご容赦下さい。

:‖(最終章)の全編を分かりやすく簡単解説

ガイウス・カッシウス・ロンギヌスが語源

アディショナルインパクトの説明の際に余談として伝えた3本の槍の語源

アディショナルインパクトとは何か

再度説明しておきます。

ロンギヌスの槍については磔にされたイエス・キリストの死亡を確認する為に、脇腹を槍で刺したロンギヌスという人物の名から来ています。

そこから名前がロンギヌスの槍となっています。

ロンギヌスは白内障を患っていましたが、イエスを刺した時に飛び散った血が目に入り視力が回復する奇跡を目の当たりにしています。

これで洗礼を受けたロンギヌスは聖ロンギヌスとして聖者扱いになりました。

ロンギヌスの槍は基本的には聖槍(せいそう・ホーリーランス)と呼ばれており、イエスの血が付着した聖遺物の一つとなります。

新約聖書のヨハネの福音に記述があります。

エヴァンゲリオンの語源もevangelionというラテン語であり「福音」という意味です。

聖書は読み出すと時間もかかるのでヨハネの福音書を理解したければマンガで読むのがオススメです。

エヴァンゲリオンに登場する槍も聖ロンギヌスの槍が語源で疑いようもありません。

ではカシウスの槍とガイウスの槍はどうなのでしょうか。

実は聖ロンギヌスの槍は別名ガイウス・カッシウス・ロンギヌスと呼ばれるとする説もあるそうです。

しかしながら現実にはガイウス・カッシウス・ロンギヌスはジュリアス・シーザー(カエサル)の時代に生きた人物の名前です。

シーザーを暗殺した首謀者の一人として有名な人物。

シェイクスピアの物語であるジュリアス・シーザーは有名な話で知っている人も多いでしょう。

このカエサルの暗殺首謀者と槍とは無関係とするのが基本。

一説にはガイウス・カッシウス・ロンギヌスと聖者ロンギヌスは同一人物と考える場合もあるそうですが、年代を見ても難しいと言えるでしょう。

暗殺者であるロンギヌスは共和政ローマの末期に生きた人物であり紀元前42年には死んでいます

イエス・キリストが磔にされたのは西暦30年または西暦33年と言われているので、70年以上前に亡くなっている人物となります。

庵野監督が敢えてキリスト教から離れた形で槍の名前を取ったことにも意味があるのでしょう。

ガイウスの槍とは何か

結局のところ、ガイウスの槍とは何だったのでしょうか。

真希波マリの発言を頼りとするのなら人の意思を反映する槍であり、ヴィレの槍と称しています。

ガイウスの槍は言ってみればシンジが願う魂と肉体(器)の分離を可能とするエヴァを死滅させ新しい世界を創ることの出来る槍です。

それを分かりやすくするために、まずはロンギヌスの槍とカシウスの槍の役割をおさらいしておきます。

・ロンギヌスの槍=アンチATフィールドを発生
・カシウスの槍=ATフィールドを発生

まずロンギヌスの槍については人の心の壁であるATフィールドを破壊出来る「アンチATフィールド」を発生させる効果があります。

ATフィールドがあるからこそ他者と自分の違いがはっきりとします。

もしATフィールドが無くなれば生物は形を保つことが出来ず全てが生命スープに変わってしまいます(LCL化)。

エヴァンゲリオンの中で体が溶ける様に無くなる場面がありますが、全て生命スープという生物の素と呼べる姿に変わっていることになります。

生命スープの状態は他者との隔たりがなくなります

人類補完計画によって魂が浄化されれば全ての生き物は生命スープとなって消え去ります。

そんな生物にとって非常に重要なATフィールド。

それをロンギヌスの槍は無効化するアンチATフィールドを効果として持っています。

だからこそ生物にとって「絶望」と言える槍な訳です。

カシウスの槍は全く逆の性質を持っています。

ATフィールドの発生で他と自分との境界を作る事が出来ると考えていいでしょう。

生き物を生き物として形作るのに必要なATフィールドを司る槍だからこそ生物にとっての希望と言える槍です。

シンジが破で起こしたサードインパクト

エヴァンゲリオン:破においてレイを救う時に初号機を覚醒させてしまいサードインパクトを起こしたシンジ。

使徒化したレイとリリスがベースとなった初号機が混ざりあったことで人を超越(覚醒)し、サードインパクトが起こされた。

本来はこのサードインパクトで大地と魂の浄化が行われるはずでしたが、月よりカヲルがカシウスの槍を一閃したことで止まります。

カジさんが命を賭してサードインパクトを止めたという発言があります。

ミサト特攻との対比を考えてもカシウスの槍をカヲルに渡したものと思われます。

渡すという表現だと「あんな大きなものを!」ってなりそうですが、おそらく自分の命を贄とすることでカシウスの槍を生成する方法を知っていたと言えるのではないでしょうか。

カヲルを司令と呼ぶカジの描写もありました。

よってカジの命で作り出され運ばれたカシウスの槍をカヲルが使って初号機の覚醒を止めたのが:破のラストだったということです。

カシウスの槍によってATフィールドが発生し、他を拒絶して形を残す状態に戻ったと言えます。

生物が生物である為の器がそのまま残されたと言っていいでしょう。

これでシンジが起こしたサードインパクトはニアサードインパクト(サードインパクトに近いもの)となり、魂の浄化を残した状態になっています。

但し大地の浄化は行われてしまったので陸地はコア化しました。

  • サードインパクト=大地と魂の浄化
  • ニアサードインパクト=大地の浄化
  • ニアサードインパクト(略してニアサー)の後の大地は海と同じく赤くコア化されています。
    (コア化の意味は使徒のコアの様な状態と言えますが、要するに生き物が生きられない状態のこと)

    よってやり残しとなった「魂の浄化」を行うインパクトをフォースインパクトと呼ぶことになりました。

    そして:Qではシンジがリリスから形状が同じ(ロンギヌスの槍の形状)2本の槍を手にして再覚醒してしまいます。

    ここはフォースインパクトで魂の浄化が行われるところでしたが、カヲルのDSSチョーカーが発動して覚醒がおさまりフォースインパクトは完遂せずに終わっています。

    槍は6本あるとゲンドウが発言

    神が与えた槍は6本あります。

    「え?そうなの?」って感じですが、槍については効果を発動できるのは1回だけと考えていいでしょう。

    6本というよりも6回使用されたというのが正しいかもしれません。

    1. (序)リリスに刺さっていたロンギヌスの槍
    2. (破)サードインパクトのトリガーとなった覚醒初号機に刺されたカシウスの槍
    3. (Q)13号機がリリスから抜きシン化したロンギヌスの槍2本(最終的に13号機に刺した)
    4. (:‖)黒き月をマテリアル(原料・素材)としてゲンドウと冬月が創り出したロンギヌスとカシウスの槍(アディショナルインパクト発動に使用)

    これで6本全てとなります。

    ガイウスの槍は神の残した槍ではなく、人間の意思が創り出した槍です。

    ロンギヌスの槍とカシウスの槍でやり直せる

    カヲルくんも言っていましたが、ロンギヌスの槍とカシウスの槍を使えば世界のやり直しが可能になります。

    ここで重要なのは「新しく作れる」とは言っていない点です。

    やり直しが可能なだけであり、魂と肉体を別個のものとして考えるエヴァのいない世界を「新しく作る」ことに関してロンギヌスの槍とカシウスの槍では出来ません。

    しかしミサトが運んだガイウスの槍はそれが可能です。

    ロンギヌスの槍=絶望・カシウスの槍=希望・ガイウスの槍=創造

    ロンギヌスの槍=絶望・カシウスの槍=希望・ガイウスの槍=創造

    ミサトは自らの肉体と魂をもってガイウスの槍を運びました。

    エヴァの無い世界では当然に起こる事象。

    肉体と魂の同時消滅です。

    世界をやり直す(元に戻す)」のではなく「エヴァのない世界を新しく作る」がベースとなっているのがガイウスの槍ということです。

    要するにガイウスの槍は「創造の槍」だったと言えるでしょう。

    さらば全てのエヴァンゲリオン

    ガイウスの槍を手にしたシンジは自ら初号機の胸に突き刺そうとしました。

    ここで初号機の中にいたユイが現れてシンジからその役割を代わります

    ガイウスの槍を初号機に突き刺したことでエヴァを消滅させることに成功します。

    シン・エヴァンゲリオン劇場版「さらば、全てのエヴァンゲリオン」

    シン・エヴァンゲリオン劇場版「さらば、全てのエヴァンゲリオン」

    さらば、全てのエヴァンゲリオン」のサブタイトル通りの状況を作り出しました。

    エヴァというのは魂を入れておける器の様な存在です。

    「肉体」と「魂」が分離可能な世界がエヴァのある世界と言い換えることも出来ます。

    シンジが目指したのは魂も肉体と同一にあり、違いのある中で頑張って生きる世界です。

    寂しさも苦しさも、勿論喜びや愛といったもの人として他者と隔たりがあるからこそ生じる全てを受け入れていく世界

    言ってみれば今私達が生きているままの世界です。

    これを創ることが出来る効果を持っていたのがガイウスの槍ということになります。

    以上がガイウスの槍に対する考察になります。

    最後に簡潔にまとめるとこうなります。

    1. ロンギヌスの槍=アンチATフィールドを発生させる生物にとっての絶望の槍
    2. カシウスの槍=ATフィールドを発生させる生物にとって希望の槍
    3. ロンギヌス槍とカシウスの槍=世界をやり直せる(元に戻せる)効果を持つ
    4. ガイウスの槍=魂と肉体が分離可能なエヴァのある世界を消滅させ新しい世界を構築出来る創造の槍

    こう考えれば何となくの理解は出来るはずです。

    細部では間違いもあるかもしれませんが大枠の意味さえ分かれば、よりエヴァンゲリオンを楽しんで観れます。

    是非大筋だけを抑えてもう一度イチから見直してみて下さい。今よりもきっと物語を楽しめるはずです。

    マイナス宇宙とは何か



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