キングダム考察|秦滅亡の理由!!始皇帝・嬴政は李斯の予想通り法作りに失敗!!
キングダムでは秦王・嬴政(始皇帝)が
中華統一を目指す物語だ。
キングダムは信をはじめとする武将たちの
激しい戦闘シーンが見所ではあるが、
嬴政や文官たちが中華統一した後の統治の姿を
語る部分も見逃せない。
キングダム46巻では嬴政が法に民を治めさせる
と言うが、李斯は法整備は失敗すると予想した。
法による統治が失敗する理由を李斯は
地域ごとの文化形成が異なるためと語る。
史実でも秦は地域ごとの文化を理解した
法整備が出来ず、李斯の予想通り
法による統治は失敗となった。
李斯が予想した法による統治の失敗
キングダム46巻にて秦王・嬴政は中華統一した後
に“法”によって民を治めさせると言う。
左丞相・昌文君は肆氏(しし)と法整備に
適切な人物を相談し、同一人物が挙げられた。
かつての敵である呂不韋の部下だった、
法の番人・李斯だ。
捕らえられた李斯に昌文君は中華統一した後の
法整備を依頼した。
しかし、李斯は最初は首を縦にふらなかった。
李斯は中華全土を同じ法による統治は
難しいと語った。
李斯は
「中華を統一できたと仮定し、そこで単純に国民が増えたという認識で法作りに入ると大失敗に終わる」
(原泰久先生/集英社/キングダム)
と言う。
文化相違による法整備の難しさ
李斯が法による統治が難しいと語るのは、
中華は各地域によって文化形成が
大きく異なるからだ。
七国では言語、秤、貨幣、思想が全く違うのだ。
特に思想の部分では、中原地域(趙・韓・魏)は
儒家思想が強い。
儒家思想は法による統治を嫌うため、
法家思想とは相容れない。
そのため、画一的な法を定めてしまえば、
到底受けられないと李斯は考えていたのだ。
史実から見た秦滅亡の理由
秦王・嬴政は李斯と共に文字・貨幣・秤の統一を
実施し法治国家の基礎を作った。
しかし、秦はたった17年で滅亡した。
滅亡した理由も、法治国家と
相容れない楚による反乱だった。
楚は儒家思想を支える氏族制度が
根深く残る地域で、法による統治を嫌った。
そのため始皇帝・嬴政が亡くなった後に、
楚から農民による反乱をきっかけに秦は
滅亡してしまった。
農民が反乱を起こしたのも法に従えば
罰になるから従わないで逆らった
というものだった。
李斯が予想した通り地域ごとの文化形成の相違が
法治国家の崩壊を引き起こしたのだった。
まとめ
キングダムの秦王・嬴政の姿を見ると、
何故秦国は中華統一した後わずか15年で
滅んでしまったのかと思ってしまう。
当時の中華には法による統治は
合っていなかったのだろう。
しかし、李斯と嬴政が築いた法治国家の礎は
中華の発展を支えた。
秦の始皇帝は万里の長城を造っただけ
ではないと感心してしまった。
これからの秦王・嬴政の動きに注視したい。
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