血の轍ネタバレ101話|静一の「しげる殺し」は無意味だった!崩壊する自我
血の轍101話のネタバレを含む考察です。
※本編ネタバレを含みますのでご注意下さい。
ママが突然「やっていない」と無実を自供し始めました。
その理由が明かされる101話ですが、静一の精神崩壊が近い様子。
ママの存在が大きいのは前回の絵からも明らかです。
こんな絵を見せられた一般の人間なら逃げ出してしまいそうになります。
今の静一の精神状態はすでに限界に近いと言えます。
突き落とすのをはっきり見たのか
ママがしげるは自分から落ちたと自供を変化させました。
これを見ているはずの静一。
実際はどうだったのかを尋ねています。
確かに突き落とした様に思える静一。
しかしながら現実には「突き落とせ!」と静一は思っていました。
思っていたからこそ、それを脳内で処理して「ママが落とした」と見せた可能性は否めません。
静一の中には以前から迷いがありました。
読者から見ていると突き落としたママが映し出されていますが、それも全て静一が見た風景が描写されているとも言えます。
そう考えると実際に突き落としたのかどうかも分からなくなるところ。
読者でも静一と同じ「おそらく」の推論を出ない現状です。
まるで映画「三度目の殺人」を思わせる答えのない世界です。
こちらの作品も敢えて最後まで真実が分からない作りになっています。
ただ読者すらも混乱に陥らせる押見修造先生の血の轍は更に秀逸と言える感情機微が含まれています。
静一が狂い始める
静一は自分が見たものが事実であったのかも分からなくなり始めています。
現実にしげるを突き落としたときは多くの幻覚を見ていた静一です。
まともではないと一言で片付けるのは酷ですが、通常に思考の人間が理解するのも難しい状況と言えます。
実は多くの人が思っている以上に見えている世界が全く違っている人間というのはいるものです。
この「ケーキの切れない非行少年たち」を読むと分からないことが分かるという意味で非常に有効です。
検察は母親が自供をする前の状況を確認しています。
母親が髪を掴まれて土下座をされていたところです。
ママはこの状況が怖くて自供したと供述しているそうです。
このシーンは事実としてありました。
それは静一も見ており、ママに対する暴行に噛みつきで対抗するなど決死の様相を見せていました。
ただこの状況になる前にママは「私が落としたん」と平然と言っています。
何が嘘で何が本当なのか分からない状況になりました。
ここから狂い始める静一。
僕の今までは何なのか
静一はママが突き落とした事実を知りながら、それを隠す日々に精神が追いやられていきました。
そして脱却の為にママを内面から追い出すかの如くしげるを突き落とすに至ります。
結果的にしげるを殺したのは静一。
殺したというよりは見殺しにする状況を作ったと言えますが、その殺人の全てが水疱に帰する可能性が出てきました。
自分は何のために。
思考を繰り返す静一。
完全に狂ってしまった様子で次に気付いた時には部屋の中にいました。
しげるが幻覚として現れるのも分かります。
死ぬ理由があったのか。
そして蝶々とママの顔。
静一の殺しそのものが何の意味もなさない理由のない殺人となりそうな予感。
反省することも、達成を味わうことも出来ず、虚しさの中で命だけを奪った静一が残っています。
このまま静一は混乱の中でママが無罪放免となれば恐ろしい事になります。
ママは警察に向かう時に静一に言っています。
最後に残した言葉も永遠に残る呪縛として静一を縛っていきました。
これもまたママの計算だったのではないかと思えるほどです。
次回102話もまた静一の混乱が描かれることになるでしょう。
マンガ好き
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