キルヒアイスの死因(死亡の原因)と最後の言葉|銀河英雄伝説・考察
銀河英雄伝説における最強との呼び声も高いジークフリード・キルヒアイス。
類まれな人格者であり、高い戦略的な思考と実行力、そして戦術的な面でも作中最強であることは疑いようもありません。
近接戦闘における最強はシェーンコップですが、それに対しても攻撃を受けて死なずに振り切った人物なので、その意味でも全てのステータス値が驚異的な高さにあるのが分かるはずです。
※これより先は原作を含め銀河英雄伝説の全編に通じるネタバレがありますのでご注意下さい※
そんなキルヒアイスは序盤と言えるブラウンシュバイク公爵のヴェスターラントの虐殺の後に行われた式典中のラインハルト未遂事件の凶弾の盾となって死亡してしまいます。
死因はアンスバッハが放ったラインハルトに向ける凶弾を変わりに引き受けてのものでした。
思いのほか早い退場に対してファンは驚きを隠せず、また原作者である田中芳樹先生も「早く死なせすぎた」と後悔を残している人物でもあります。
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キルヒアイスの死因は凶弾
本作の中心人物であるラインハルト・フォン・ローエングラムの親友であり、紛うことなき右腕だった人物です。
キルヒアイスの死因はアイスバッハ准将の放った凶弾となります。
それはリップシュタット戦役の後に行われた戦勝記念式典でのものでした。
ブラウンシュバイク公爵の死体と共に入ってきた配下のアイスバッハ准将が仇討ちとしてラインハルトに向けて大型の銃を撃とうとしました。
それに即座に対応したキルヒアイスですが、アイスバッハが付けていた小さな指輪から出たビームの凶弾によって致命傷を受けてしまいます。
ラインハルトの命は救われましたが、その一撃はキルヒアイスの命を奪い取ってしまいました。
医者を呼ぼうとしましたが、キルヒアイス自身が死を感じ取り、最後にラインハルトに言葉を残してこの世を去っています。
あまりに早い退場劇でしたが、このキルヒアイスの影響はラインハルトや他の幹部にもありました。
キルヒアイスの最後の言葉
キルヒアイスの最後の言葉は有名なものです。
そして、その言葉はラインハルトを時折意識付けるものでもあります。
『ラインハルト様、宇宙を手にお入れください』
このキルヒアイスの言葉どおり、銀河英雄伝説において宇宙を手にした唯一の人物として描かれることになります。
しかしラインハルトもまた栄華を継続し続けていく皇帝とはなりませんでした。
キルヒアイスが死んでいなければ
無意味と思いながらもラインハルトすら「キルヒアイスが生きていれば」という言葉を使うので論じる必要がある部分でしょう。
キルヒアイスについては冒頭で述べた通り“作中最強”と呼べるキャラクターの一人です。
戦略的な思考面では天才ヤン・ウェンリーが最強であるのは確定事項でしょう。
そしてその次席にラインハルトが位置すると言えます。
(ラインハルトは実際にヤン・ウェンリーには一度も勝てていない)
但しキルヒアイスはラインハルトの持つ弱点的素養である激情を止めることが出来、なおかつ自らの発想や考えはヤン・ウェンリーに近いものを持っているというチート的人物です。
戦術レベルでも戦略レベルでも作中最強クラスであるのは間違いありません。
もしキルヒアイスが生きていれば、当然ながらヤン・ウェンリーがラインハルトに幾度の勝利を重ねることは出来なかったでしょう。
近接戦闘でも尋常ならざる力を持っており、下手をすればシェーンコップ以外には誰にも負けないという人物だった可能性があります。
他にも射撃の腕は超一流。
キルヒアイスの死が無ければ、ラインハルトの覇道もより短距離で為されたはずです。
更に言えば、キルヒアイスは部下を休息させるなど「休むこと」の重要性を理解していました。
ラインハルトは最終的に病に倒れることになりますが、この点においても雑事をキルヒアイスが熟していれば死が遠のいていた可能性は十分にあるでしょう。
原因不明の病であるため、どちらでも一緒だったかもしれませんが、少なくともラインハルトが終盤に持っていた悲しみやストレスは無かったでしょう。
キルヒアイスはオーベルシュタインに殺された訳ではない
キルヒアイスが光であれば、オーベルシュタインは闇の部分を担当したと言えるラインハルトの参謀です。
この暗殺未遂事件から起こったキルヒアイスの死に関しても、直前に式典での銃の所持を禁止したことが影響したと言われています。
これまではキルヒアイスだけは銃の携行が認められていましたが、他の部下との区別をすべきではないという進言を受け入れた。
オーベルシュタインはキルヒアイスが死ぬ可能性を知っていたのではないか、と言われますが、実際はそんなこともありません。
確かに作中の多くで怪しげな動きが多いオーベルシュタインです。
ただこれもローエングラム王朝を生きながらえさせる為の方法であったと後々になって分かる部分。
闇を一手に引き受けていたとも言えるでしょう。
但しラインハルトを活かす! というよりは新たな王朝の創設、という点に注力しているように思えます。
キルヒアイスは読者にも人気のあるキャラである故に、どうしてもオーベルシュタインを好きになれない人も多いのではないかと思われます。
しかしよくよく考えてみるとオーベルシュタインがいない場合もまた、ラインハルトの覇業は成立しなかった可能性は高いのではないかと言えます。
このキルヒアイスの一件についてもオーベルシュタインの陰謀などではないことは原作を見ても分かるところです。
終幕時点でのオーベルシュタインの行動と犬のエピソードを考えると「悪い人間ではなかった」というのが分かります。
非情に徹してでも新たな王朝の創設に尽力した人物であったと言えるでしょう。
作中最強の死が早すぎた
作中最強と呼べるキルヒアイスの死については原作者の田中芳樹先生すらも「早すぎた」と後悔するほどでした。
しかしながら、このプロットで作品が進んだからこその名作になったとも言えるでしょう。
キルヒアイスの死によって多くの人物が活躍の場を得ました。
先述のオーベルシュタインや帝国軍の双璧と呼ばれるロイエンタールとミッターマイヤー、他にもミュラーやラインハルトと結婚することになるフロイライン・マリーンドルフ(本名ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフでフロイラインとはお嬢さんという意味)などの活躍が強く見られることになりました。
もしキルヒアイスが生きていれば、これらの役割も小さなものになり、活躍の展開は半分以下になっていたに違いありません。
確かに早すぎる死であり、それについては見た(読んだ)人が確実に驚愕する部分でしょう。
驚きの提供という意味でも作品としての強さを示しいるようにも思います。
衝撃を受ける死という意味ではヤン・ウェンリーの死に次ぐものではないかと思えます。
- ヤン・ウェンリーの死
- キルヒアイスの死
- ラインハルトの死
おそらく本作品における衝撃を受ける死のトップ3ではないかと思えてなりません。
キルヒアイスの死、それは銀河英雄伝説の中で各キャラクターの中に息づいていくので、そういう意味でも偉大な人物であったのが感じ取れるところです。
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