虚構推理考察|主人公・岩永琴子と相棒・桜川九郎をネタバレ解説!
今回はアニメ2期の制作発表が決定した漫画「虚構推理」を解説。
カワイイ主人公「岩永琴子」とその相棒「桜川九郎」のキャラクターの魅力をご紹介いたします。
※漫画本編のネタバレを含みますのでご注意下さい。
「虚構推理」は原作小説を基に、月刊少年マガジン他の3媒体(電子書籍含む)で連載されている漫画です。
原作者は「絶園のテンペスト」で知られる「城平京」先生で、作画は「片瀬茶芝」先生が担当しています。
原作小説である虚構推理は2012年にミステリ大賞を取りますが、その内容が推理ミステリかどうか議論のあった作品でした。
虚構推理の主な内容
岩永琴子は怪異達に、街にあらわれる怪異「鋼人七瀬(こうじんななせ)」の事件を解決するように依頼された。
怪異たちの知恵の神である琴子は、彼氏の桜川九郎と共に事件解決に乗り出す。
といった内容です。
次項から主要キャラクターである可愛らしい知恵の神「岩永琴子(いわなが-ことこ)」と、妖怪が恐れをなすモンスター「桜川九郎(さくらがわ-くろう)」について紹介していきましょう。
「鋼人七瀬」編のストーリーのネタバレについては別記事をご用意していきます。
「怪異」たちの知恵の神:岩永琴子
一眼一足のおひいさま(御姫様)。
岩永琴子は幼いころ神隠しに会います。
そこで彼女は怪異たちの知恵の神になるように求められました。
琴子は「はい」と答えたので右目と左足を奪われて、一眼一足の「あの世とこの世をつなぐ巫女」となりました。
発見された彼女は義眼と義足を付けて普段は杖を携えています。
妖怪が好きな人はピンときた方も多いでしょうが少し解説いたしましょう。
「一眼一足」とは神様である証として様々な神話に登場します。
日本では古事記にも登場するのですが、皆さんは「一つ目小僧」という妖怪をご存知でしょうか。
彼らは研究者によれば「零落した(おちぶれた)神の姿」ではないかともいわれています。
ギリシャ神話に登場するサイクロプスも一つ目として知られる存在です。
サイクロプスはギリシャ神話に登場する天空神ウラノスと大地の神ガイアの間に生まれた神。
琴子は一眼一足となった事で怪異の姿を見てその声を聴くことのできる力を得た知恵の神となります。
彼らの持ち込む事件を解決していくことになります。
九郎先輩ラブな恋する乙女
そんな琴子は15歳の時に運命的な出会いを果たします。
琴子は定期的に通っている病院で当時大学生だった九郎に一目ぼれしてしまいます。
出会った当時は彼女持ちだった九郎に諦めモードな琴子だったのですが、辛抱強く想い続けて2年が過ぎたころ九郎と彼女が破局したことを知ります。
第一話はそうして琴子と九郎が出会うところから始まり「鋼人七瀬」の事件へと話が進んでいきます。
未来をつかむモンスター:桜川九郎
妖怪「件(くだん)」と「人魚」
桜川九郎はいろいろあって岩永琴子の彼氏となるわけですが、彼にはある秘密があります。
桜川家という旧家出身の九郎は幼いころ祖母に妖怪「件」と「人魚」の肉を食べさせられました。
妖怪「件」とは未来を予言できる妖怪ですが予言をすると死んでしまいます。
クダンノゴトシという漫画が一時期流行っていましたが、そこでの件は強烈な描き方がされました。
また「人魚」は食べたものに適性があれば不老不死となります。
桜川九郎は家族が妖怪の力に耐えられず死んでいく中で肉体がすぐに修復される不死性を手に入れました。
更に未来を見通して希望に近い未来を決定できる力を持った化け物と人の混じり物となります。
彼は不死身となってから何度も死を経験したせいか、後天的な無痛症になっているらしく感覚が鈍くなっていておっとりとした印象を受けます。
琴子と九郎の恋の行方
琴子の時と場所を選ばない下ネタアプローチ「既成事実・混浴・同衾」を行います。
九郎はうんざり気味な表情をすることが多いです。
2人で写っている写真はたいてい死んだ魚のような目で映っていて到底カップルとは思えないものばかり。
九郎が元カノの沙季と別れるきっかけになった事件がありました。
デート中に出会った河童が妖怪と人間の混じり物の九郎を見て、恐怖のあまり逃げ出したことで破局してしまいました。
そのことがトラウマになっているのか不死の自分が琴子のような寿命の上では人間といることでいつか来る別れに臆病になっているのかもしれません。
そんな2人は様々な事件を通じて愛情を深めていくのです。
不思議な状況を言葉で解体する虚構推理
虚構推理・鋼人七瀬の本質について解説します。
ここまでの設定から虚構推理の作品ジャンルで予想されるのは現実世界の異能バトルになりそうなものです。
しかし作品の面白さの本質は「4つの虚構にまみれた推理」と「詐欺まがいのでっち上げ考察」を基にしたインターネット上のレスバ(論戦)です。
タイトルに「推理」の文字が入っていますがミステリ大賞で推理ものかどうかが議論された理由はそこにあります。
主人公である琴子の武器は「言葉」です。
怪異と人間の橋渡しをする彼女は「もっともらしい真実」を言葉によって作り出し「双方にとって都合のいい解釈」を提示することで事件を解決していきます。
琴子は探偵ではないので真実を追求する必要などなく現実を丸く収めるために言葉で解決する巫女なのです。
虚構推理1期のレビュー
虚構推理はアニメ化されましたが、いまいちヒットしませんでした。
原作作品も漫画も間違いなく面白く、琴子のキャラクターは愛らしくて、九郎の能力は魅力的だった。
ではアニメスタッフの努力が足りなかったのでしょうか。
当然そんなはずもありません。
私見ですがこの物語の構造が1クールのTVアニメに向いていなかったことに原因があります。
原作小説は「鋼人七瀬」という存在をどうやって倒すかにポイントがしぼられていたので、
12話中10話を使って物語の解説と論戦をする構成にならざるを得ませんでした。
そのため動きの少ない画面になってしまっています。
ずっと論戦しているため一回視聴を逃すともうついていけなくなってしまうことが欠点だったのではないでしょうか。
配信アプリで一挙見すると面白さが変わるので、未視聴の方は見直してみることをお勧めします。
※現在Amazonプライムのdアニメ登録で見ることが出来ます。
2期アニメを見る前に
虚構推理の魅力的な主人公とパートナーについて改めてご紹介してきました。
おそらく漫画という媒体が「虚構推理」を楽しむために一番わかりやすいと考えられます。
月刊少年マガジン以外にも電子書籍漫画版も配信されています。
漫画だと伏線をしっかり回収しながら読めるのであなたのペースで読み進められるメリットがあります。
漫画版は「鋼人七瀬」編の6巻で終了予定だったようなのですが、原作者書下ろしで小説が書かれ、漫画化されて連載が続いています。
2期アニメについてはどのエピソードが使われるのか。
新作書下ろしなのかはまだ分かっていません(2021年6月21日現在)。
これを機に原作小説や漫画を読んでいない方は是非ご覧ください。
※この記事は虚構推理好きのライターさんが書いて下さいました。
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