空腹なぼくらネタバレ16話(3巻)｜赤ん坊の命を救ったわたる。喰いたい欲に負ける

空腹なぼくら16話もまたわたるの壮絶な感情の様子が分かります。

意識のあるゾンビの辛さがここまで描かれる作品は類を見ないでしょう。

前回は生まれたばかりの子供を食べてしまいそうになりました。

それを何とか理性で抑えこみ家を飛び出しましたが、このままでは食べてしまいます。

その葛藤回となっています。

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本能と戦うわたる

家を飛び出したわたる。

十何年も手塩にかけて、やっと生まれた赤ん坊を、一瞬で…。

それほどに空腹というのは生き物にとって耐え難い苦痛であると言えます。

十年を越える月日で我慢し続けたわたるにとって苦しすぎる所業。

なんとか腹の中に物を詰め込み紛らわせようとしますが、ゾンビの体は人間の肉しか受け付けません。

赤ん坊を見て我慢できる自信がないわたるは食料を置いたら家からさって別の場所に行くことにします。

海の時にはならなかったこの感情。

それがなぜなのかわたるにも分かりませんでした。

限界を超えたわたる

少し時間がたったわたるは精神的に限界を迎えます。

自分は良く頑張ったとブツブツ独り言を言い始めます。

俺はよく耐えてる。

何となくバイオハザード1に出てきたゾンビになってしまう人の日記に近い感じで理性が飛びはじめています。

なぜ海の子供は喰いたくなってしまうのでしょうか。

海もパパとは呼ばれていますが、そもそもわたるの子では当然ありません。

だから血縁じゃないとか1つ世代が増えたからとかではなく、単純に我慢の限界だったのかもしれません。

もしくは出産という場面に立ち会った事で食欲が増強されたのでしょうか。

食う為に海の家に向かうわたる

たまのご褒美だと赤ん坊を食うためにわたるはクズ男と海が住む家に向かいます。

子供はまた生まれると安直な考えで家に入るとクズ男と海の会話が聞こえてきました。

どうやら普通ではない状況になっている様子です。

どうしたらええんや。うぅスマン…スマン海。

なにかとんでもない事が起こってしまったのだけはわたるにも分かります。

そのまま二人の元へ歩み寄るわたる。

赤ん坊を無造作に抱いているクズ男は一言「死んでしもた」と。

まさか食うと決めていたわたるですが、その前に死んでしまうとは話が違いすぎて混乱しそうです。

わたるは赤ん坊の命を救う

わたるは冷静に赤ん坊を預かり、すぐに人工呼吸と心臓マッサージをします。

この状況で冷静に事にあたれるわたるの精神的な丈夫さは尋常ではありません。

普通なら焦って何も出来ないでしょう。

救急車を呼ぶくらいが関の山ではないかと思いますが、この世界にはすでに救急車など頼れる人間は誰もいません。

必死の蘇生法によって赤ん坊は息を吹き返しました。

少ない水でも赤ん坊は溺れてしまうものです。

多く見られる事故ではありますが、初心者で助けもなく知識もない夫婦の間で起こってしまいました。

何とか息を吹き返し、海は泣いて喜んでいます。

わたるはわたるを信じない

赤ん坊を喰いに来たのに、咄嗟に助け出したわたるです。

「もう大丈夫」と思ってしまいがちですが、わたるはそう思っていません。

今この瞬間が特別だっただけで、これから必ず喰いたくなると自分を戒めます。

俺は俺を信じない。俺の中に住む、バケモノを。

ここで空腹なぼくら16話は終了となります。

一度は喰おうと決心した赤ん坊の命を救い出し、なおかつ自分を信じないと決めたわたる。

とはいえ、また家から離れてしまうのも危険だと分かりました。

助けられる範囲にいながら、食べたいという欲求が出た時には止められる方法を思いつく他ありません。

わたるはどういう決断をするのでしょうか。

空腹なぼくら17話のネタバレ考察

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